月曜日, 10月 10, 2011

ジャック・アタリ著「21世紀の歴史」を読んで。

歴史の推移を都市を中心として分析するというブルージュ、ヴェネツィアからロスアンジェルスまで9つの都市の変遷による分析は新しく衝撃的だ。著者はフランス大統領補佐官として活躍しまた現在もサルコジ政権にも深く関わっているという。哲学者、社会学者、文学者とその多才な才能は世界が認める。2006年本書が出版され、既に幾多の世界の象徴的出来事を予測するというまさに未来学者だ。21世紀この混沌とした世界の歴史を予測する事は非常に困難だ、著者は本書で我が日本についても分析している。労働人口の急速な減少、増加する債務、北朝鮮の核弾頭の脅威、中国の軍備の増強、韓国の経済的台頭と2025年日本の経済力は世界5位からも転落しかねないという辛辣なものだ。貧困、暴力、テロ、宗教対立、資源を巡る戦争と絶望に向かって進む世界は、果たして救われるのだろうか?アタリは、利他主義を実践するトランスヒューマンこそ世界を救うと考えている。マイクロソフトゲイツ会長とその妻の財団や、著者もそであるが、バングラデシュのマイクロファイナンスを実践するユヌス氏ら21世紀の世界は決して諦めたものでもないと。
 

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