土曜日, 8月 31, 2024

標野凪箸「こんな日は喫茶 ドードーで雨宿り。」、小さな丘の上にある喫茶店ドードー店長は中年男性で自称「そろり」さんいろんな人がふと訪れるといった喫茶店である。そりさんは何時でもようこそ喫茶ドードーへと挨拶し客を招き入れる客の表情をみて何やら話しかけ客の心を和ませるその会話は深く優しく客の心に響くそんな喫茶店なのです。
山口恵以子著「幸せのカツサンド」、東京は佃にある大衆食堂、名は「はじめ食堂」切り盛りするのは3人の女性で二三と一子と皐旬を取り入れた絶品料理で常連客が押し掛ける。こんな店が近所にあったらとつくづく思う。やはり処場代が自宅である要素が安く提供できる理由だ。
住野よる著「また、同じ夢を見ていた」、小学生の小柳を通して幸せとは何か?人生とはを語りかける本書を読んで感慨に浸れる、そして根底には著者のそこはかとなく優しさが溢れています。人生で無くしたものを思い出してくれます。
湊かなえ著「リバース」、大学時代のゼミ仲間総勢4人だ別荘の持ち主である村井が遅れて今駅に着いたと連絡が来たとき周辺は土砂降りになっていて仲間はすでに酒を飲んでいて誰が迎えに行くか口論の末少しだけ飲んだ広沢が迎えに行くことになった。そして事件が起こった崖から車ごと転落して車は炎上して広沢は命を落としたこれを契機に仲間の一人深瀬が広沢の生前を訪ねて回るそれもあんたが殺したという文書が3人に配られたからだ。深瀬の心理描写を丹念に描き独語何故か心に残るそんな作品だ。
雨穴著「変な家」、 一枚の家屋の間取り図、この図からの発想さらに複雑な血縁関係へと次々と展開されていく物語は読者にぺーじをくる手を強要する。館シリーズとはひと味違う面白さだ。
カルロス・ルイス・サフォン著「風の影 下」、内戦も終結しダニエルは友人の妹仲良くなり交際しやがて彼女は妊娠する、同時代的に進行する物語が迫力を増し読者を混乱させる。一人の少年をバルセロナの歴史の中に放り込み右往左往しながら彼の人生を見つめ著者の忍耐強い視点は壮大な歴史ドラマだ。
カルロス・ルイス・サフォン著「風の影 上」、スペインはバルセロナの内戦前から内戦そして戦後と歴史を俯瞰してその状況下で生きる一人の青年の遍歴を辿る壮大なドラマだ。少年ダニエルがふとしたことからフリアン・カラックスの一冊の本に巡り合うことから物語が始まる、彼は夢中になりこの本の著者フリアンを探求することになった。
東野圭吾著「ガリレオの苦悩」、5編短編集である。例によって帝都大学物理学部第十三研究室に勤務する湯川学準教授のことを世間ではガリレオと呼ぶ湯川と同じく帝都大学を卒業した警視庁の刑事草薙の依頼でしばしば協力している経緯がある。今回も物理学的な根拠を持つ犯罪が起き依頼された湯川の奮闘がすごい。犯罪の核心を解き明かすさまは読者に驚愕を与え感心するしかない。
ソン・ウオンビヨン著「アーモンド」、韓国はソウル在住の高校生ユンジェは幼い頃より精神的疾患があり世の中の様々な状況に少し対応に難があった。この物語は彼の視点から書かれており簡潔な文章スタイルと相まって淡々と進んで行くがユンジェが成長する過程を描いていく。不良少年ゴニとの出会いと彼を救う勇気と愛は読者を感動させる。
東野圭吾著「探偵ガリレオ」、5編からなる短編集である。夫々に科学的要素を盛り込み鰤学教授として湯川学が解き明かしてゆく過程が面白いまた刑事の草薙と湯川との丁々発止的会話もまた絶妙だ。5編の中の物理学的核心も妙に感心してしまうのも面白。