日曜日, 7月 18, 2010

R・D・ウィングフィールド著「フロスト気質」下巻を読んで。

デントン警察署のフロスト警部の人柄を想像するに、イギリス人もこうだったかと思い知らされる面がある。ガムシャラに事件にあたる警部そして同僚部下デントン警察署長マレットとのやり取り、何故かほのぼのとした警部およびイギリスの田舎警察署の風景が冗長性を伴って、好感が持てる。
署管轄内で次々と発生する殺人事件をフロスト警部は、定石どおり捜査を進める。警部独特のカンを頼りに、最後まで犯人を追いつめる執拗な捜査こそフロスト警部の持ち味だ。幼児誘拐から殺人事件へと展開する犯罪に全身全霊で捜査に邁進する警部の推理と苦悩が何故かイギリス人の人間性をも描く、著者の警察探偵小説の神髄だろうか。

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