火曜日, 1月 03, 2017

山本周五郎著「五辦の椿」薬種問屋に暮らすおしの父親喜兵衛は労咳である。余命いくばくもない身ながら仕事に打ち込む姿をしのは目に焼き付ける。そんな日常の中、妻のおそのは遊び呆け淫らな生活を送っている。いよいよ喜兵衛の病状が悪化しその喜兵衛に懇願されおそのの暮らす長屋へとしかし喜兵衛の命は途中で尽きた。ここからしのの復讐の情念が燃え上がり、おその情交のあった男どもを次々と簪で胸を刺し貫いて殺害してゆく。この物語はしのの悪に対する復讐が焦点なのか?そこに潜む女の悲しい運命、そして一般世間の人々の普通の暮らしや感情がテーマなのか?作者の著作を読むのは始めてだが相当面白い。



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