月曜日, 8月 30, 2021

皆川博子著「開かせていただき光栄です」、舞台は18世紀のロンドン、外科医ダニエルは5人のそれぞれ個性のある弟子とともに解剖を受け持つ医師だった。ある日見慣れぬ遺体が2体見つかった。一つは妊婦の遺体でもう一つは少年の遺体だ。治安判事を中心に様々な角度から捜査が進められ最後になって行きついたのは容疑者と思しき者二名が死亡したという事実、しかし田舎からロンドンに出てきた文学少年の遺体と見なされ解剖した弟子の一人の容疑がうらずけられ裁判に持ち込まれた、しかしそこにどんでん返しが用意されていた。長編にも拘わらずプロット、そして巧みな伏線が最後に重ね合う手工は感嘆せずにはいられぬ面白さだ。

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