土曜日, 8月 14, 2010

ウンベルト・エーコ著「薔薇の名前」下巻を読んで。

この「薔薇の名前」は、7日間の修道士ウィリアムとその助手であり見習修道士アドソとの修道院滞在中に発生する殺人事件のプロットである。華麗にして荘厳な修道院は、稀有にして膨大な書物の蒐集しそれを所蔵する文書館を持つが、この複雑な迷路になっている文書館こそが、殺人現場となった。次々と発生する殺人事件の最中に教皇派の使徒団が到着し、異端審問官ベルナールにより一旦は解決したかに見え院長はウィリアムとアドソに退去を命じるが、事件解決の執念を燃やすウィリアム修道士は遂にその核心へと踏み込む。事件は、一人の盲目の老修道士ホルヘの一冊の書物を廻る異常なまでの神への服従が齎した結果であった。

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