水曜日, 1月 19, 2011

奥泉光著「シューマンの指」を読んで。

元来ジャズ派の私にとって、クラシックしかもシューマンというのは新鮮でこれがミステリーとして、どのように係わってくるのか期待を込めて読み進めた。シューマンに傾倒する永峰修人なる天才ピアニストを巡る回想形式で進む。ある日の夜ふとしたことから学校の音楽室に立ち寄り修人のピアノを聴く、そして殺人事件に出会す岡沢美枝子なる女子高校生の遺体がプールに浮かんだ。殺人を巡るプロットが可成り遠回りな感があり、最後になって急速な展開に発展する。つまり「どんでん返し」だ。中間章での盛り上がりが欲しいところだ。しかし私には著者の文体は好きだ。

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