水曜日, 2月 27, 2019

山崎豊子著「華麗なる一族 下」、銀行合併を着実に目論む万表大介は、実子である長男が専務を務める阪神特殊鋼を画策を持って倒産に追い込み、大同銀行三雲頭取を失脚させた。閨閥結婚を主に取り仕切る相子の手は銀行合併へと繋がる手練手管であった。しかし破綻した自社・阪神特殊鋼の痛手から一人果って猪狩りをした山中で猟銃により自らの命を絶った。この事件以来華麗なる一族の前途が微妙になってゆく。合併ははしたが、家族は離散して行く羽目に。著者の周到な取材調査の上に繰り広げる人間ドラマはまさに圧巻である。

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