木曜日, 9月 28, 2023

森博嗣著[数奇にして模型]、西之園萌絵と大学助教授の犀川創平シリーズの長編ミステリーだ。N工大の実験棟で女性が殺害された、同じ時刻公会堂で実施された模型の交換会の会場の片隅で首のない死体が発見された。萌絵と犀川は様々な状況下で翻弄されながら事件の真相に近づいていく、一人の大学生の夢と妄想を体現すべく仕組まれたものだった。プロットは凝ったものではなく、伏線を豊富に散りばめた体裁でぐんぐんと読者を引き込んでいく筆力は著者の持つ類を見ない能力だ。

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