月曜日, 4月 30, 2007

新宝島 江戸川乱歩全集 第14巻を読んで。

昭和18年といえば、世界大戦へと突き進む日本の姿がある。言論弾圧、思想統制の中で乱歩の探偵小説は迫害を受ける。戦意高揚を主題とした子供雑誌に連載される冒険物語はもはや乱歩の世界ではない。この巻に収められている話の中では、偉大なる夢が出色の出来だと思う。戦時下の中で、上記の困難な状況で書かれた探偵小説は現在15巻読後でも私の中では1、2を争う出来映えだと思う。シドニー・シェルダンを思わせる謎解きはこの時期としは冒険的でかつ乱歩の探偵小説への強い意志を感じる。

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