水曜日, 9月 30, 2020

京極夏彦著「書桜弔堂」、都内の辺鄙な一廓にその本屋はある。高遠は30代であるが、妻子を於いて実家より出て空き農家を借りて一人住まいで自堕落な生活を送っている。がその彼の元へやってくる客人は勝海舟ありと言わば著名人なのである。その人たちを弔堂へと案内し主の蘊蓄を聞かされ客人は誰もが目覚めて行く、主の蘊蓄と博学は底を知らぬ程である。数千冊の蔵書に囲まれ本を弔うという主の言葉は人生を達観したものである。著者のミステリー小説とは一味違った趣である。

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