土曜日, 1月 30, 2021

京極夏彦著「鉄鼠の檻」、思わずため息が出る程分厚い文庫本である、多分1300頁を超える大作だ。舞台は箱根湯本から山側に歩いて数時間の所にある禅寺、妙恚寺だ。各宗派を含むまあ禅寺という寺、寺の手前に老舗の宿がありそこも今回の舞台になっている。寺の禅僧の一人が殺害され宿の庭の柏の樹の上に置かれた、不審な事件とみて元から寺の取材に来ていた京極堂の妹敦子と鳥口に加え役者が勢ぞろいする京極堂、関口、探偵榎木田礼次郎禅僧が次々と殺害され連続僧侶殺人事件に発展する。そして禅という宗教が持つ特殊な背景と事情が重なる事件だった。作者の蘊蓄には恐れ入る。

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