金曜日, 8月 18, 2006

地政学で世界を読む を読んで

十数年も前、地政学に関する本を読んで、戦略のない「日本」を感動を持って理解した経緯があった。今回著者のブレジンスキーは、米国の国際政治学者であると同時にクリントン政権の大統領補佐官であったと記憶している。地政戦略は「ジオポリティクス」といわれるが、米国のこの分野での研究は他国を圧倒する。日本を取り巻く地政戦略状況は多くの問題を孕んでいる。中国の台湾統一問題と中国の民主化、中国との南シナ海での海底資源の覇権に伴う領有権、尖閣列島での領有権、韓国との竹島問題、朝鮮半島の統一問題、北朝鮮のミサイル・核・拉致の問題、千島列島(北方領土)でのロシアとの領有権問題と、どれ一つをとっても民族紛争に発展しかねない重要な問題ばかりである。では一体日本の取るべき道とは如何なるものであるか。著者曰く米国にとっての日本は、日米安保の傘下で東アジアの超大国としてでなく、世界に貢献する国として育て導き中国との緩衝国としの位置を確保しつつ、中国の民主化がスムースの移行できるようにする為の地政戦略上の同胞であると。
この書を読んで、熟思うのは国家及び構成員としての人間の欲望というか、万能の神の下で或は地球規模で見て小さな領有権、覇権というエゴが永久に続いている。本当に懲りないなという感想である。

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