月曜日, 4月 29, 2019

京極夏彦著「巷説百物語」、主人公山岡百介なる人物が処々を巡りながら奇談珍談を蒐集し読み本を作り上げようとするいわば怪談集である。七編の短編集はどれをとっても面白く作者の死に対する明確な認識を感ずる。現実と冥府の堺、身体は現実であり死ははモノであるという線引きは諸編を通して語り掛ける。人間の剛・果てしない欲望が様々な怪談話の根底にある。

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